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そもさんせっぱちょーちょーはっし

障害者は養わなければならないか?

ただ、障害者だからって投げやりになって、
クズみたいな人生は送ってほしくない。
「心の障害者」にはなってほしくない。

ニートの妹が障害者にジョブチェンジした。歩けないらしい。

という一文に激しく憤りを感じ、

"ただ、障害者だからって投げやりになって、クズみたいな人生は送ってほしくない。「心の障害者」にはなってほしくない" / 僕の姉が先天性の障害者だったから言うけど、あなたのこの一文完全な差別発言だよ。

http://b.hatena.ne.jp/ngsw/20081231#bookmark-11484842

といったコメントを投じた。そして元増田の一文『ただ、障害者だからって投げやりになって、クズみたいな人生は送ってほしくない。「心の障害者」にはなってほしくない』が、

不況だの派遣切りだのと、いろいろ問題があるが、
やっぱり「働ける」って大事だね。
「健常者」だって働く場所に困るこのご時世、
障害者なんてお呼びじゃないだろう。

ニートの妹が障害者にジョブチェンジした。歩けないらしい。

といった問題の根源であるとも感じた。「健常者から障害者になったから投げやりになる」「健常者から障害者になっても心の障害者にはなってほしくない」という意見は僕にもわからないでもない。わからないでもないが、僕は「"障害者"を見下している」という自覚の元に「わからないでもない」とそう感じている。意識的な差別をする時にのみ、この「わからないでもない」は出てくる。だが、元増田は無自覚に「障害者」という言葉そのものをネガティブ然として使用している。まるで「障害者」が「バカ」や「アホ」「とんま」の代替のように。


「障害者」はラベルそのものであって、「健常者」と並列にあるものだ。それは「優性遺伝」と「劣性遺伝」だったり、「進化」と「退化」と同じ二組の言葉に過ぎない。もしもあなたが『「劣性遺伝」や「退化」という言葉は、「優性遺伝」や「進化」よりもネガティブな意味を持つ単語だろ?』と思われたなら、この話は理解しづらいかもしれない。また、それは文脈ごとに広義/狭義と変化する言葉の定義のあやふやさの証明でもある。


話を戻すと、元増田のような人間が「障害者なんてお呼びじゃない」環境を生み続けているんだろうと感じた。家族が勝手に責任を背負ってしまい、障害を持った人々を座敷牢的に自宅に閉じこめてしまうのだ。障害を持っていることは罪ではない。隠すこともない。そして障害は障害を持ったからと、衣食住が保証される(自然権的な話とは、また別の問題として)甘やかされるべき免罪符でもない。


また話が横道にずれるが、元増田に何か届けばと思い記す。
僕が小学生だったころ、幼い頃小児マヒ(おそらく)に罹った同級生がいた。彼の手足は見た目でもう障害があることがわかる。そんな彼に事件が起きた。小学三年の初夏。プールの季節を前に彼は先生に呼ばれ、そして泣いた。どうしたのか聞いてみると、「僕には障害があるから今年から体育のプールができなくなった」ということだった。初めてのプールの授業を彼は体操着に着替えてプールサイドで見学した。
僕は父に「(彼は)水泳教室にも通ってるんだよ。泳げるのみんな知っているんだよ。おかしいね」と話した。父は早速翌日学校にやってきて校長担任を目の前にこういった。「手足に障害を持つ彼こそ、一番はじめに水泳を学ぶべきではないのか」と。「もし川でおぼれて誰も助けが来なかったときのために、ここにいる誰よりも先に水泳を学ぶべきではないのか」と。彼はその次の授業から、去年と同じようにプールの授業に参加することができた。障害者を実の娘に持った父の、こういう点は評価できるところだ。


元増田は障害を持った妹さんが、なにができてなにができないのか話し合うべきだ。そして妹さんが現在不可能だと思っていることを不可能なまま終わらせないことだ。働く働かないは本人の意志だろう。社会の問題であるなら闘うべきであり、妹さん自身に闘わせるべきだ。そういった団体はいくつもあり、そういう政党は以前からあるのだ。おそらく元増田は知らなかったか、全くの他人事であったのだろうが。また、もしも妹さんが働かないことを選択したからといって、元増田が養う必要もないのだ。障害者がどうこう、足のあるなしがどうこうではない問題だ。


最後に。
あなたの婚期遠のく云々を、妹さんを出汁にしてはいけない。たとえそれが冗談であったとしても。