「逆に何ができますか?」論法について
ある発端となるような(案件|事象)があったとして、その責任者に技術屋がこう質問される。
責任者「って案件なんだけど、できることってなにかなあ?」
あまりにも漠然としているので大抵の(部署内最適化された)技術屋はこう返す。
技術屋「それって結局何がしたいんですかね?それによりますね」
もっともだと思う。が、これで会話が終わる場合はほとんどない。当該の責任者はその返答はすでに予測していて、思ったとおりの気のない答えが返ってきたことにうんざりしながらも、
責任者「うーん、むしろ逆に何ができますか?どれくらいのことなら対応可能ですか?」
と返してくる
技術屋「うーん、何ができますかねえ(やばい当初より質問が増えている……)」
というやりとりをよく目にする。
これは「卵が先か鶏が先か」的チキンレースなのだとお気づきであろうか。
具体例を提示するのは少なからず責任が生じる。「ただの思いつきですが……」と一言添えること自体もストレスになり得る。
またそれ自体が一種の言質だ。情報を「先に」「多めに」出したほうが負けなのである、例えそれが同僚であろうとも。嘆かわしい。
いろんな見方がある。
会社としての成果でみれば、どんな回答を誰がしようと、正しく早く顧客に届けば顧客の満足度も上がるだろうしそれでいいのだ。
しかし部署間同士の関係性で見れば
「責任者さんの案件なんだからそっちが頭つかうべきだよね」
「そもそも技術者はその案件、絡んでませんからね」
という話になる。
その時間を費やせば解決できる程度の問題であったりするが、得てして「それは(でき|し)ません」という回答にリソースは割かれる。
不毛と言えば不毛だが、責任分界点的には正しい気がする。
個人的にはこういう回答法で行こうかと思う。
僕「それって結局何がしたいんですかね?それによりますね」
責任者「うーん、むしろ逆に何ができますか?どれくらいのことなら対応可能ですか?」
僕「逆は無いです。ではこの件は終わりでいいですか?」
不毛であることはわかっているが、正しいやりとりであると思える。
生産性を持たせるのならば、
僕「それって結局何がしたいんですかね?それによりますね」
責任者「うーん、むしろ逆に何ができますか?どれくらいのことなら対応可能ですか?」
僕「じゃあ、こっちで考えてこっちで実現して僕等の案件ってことにしますね」
ってな感じなどハードボイルドであると言えまいか。
思うに
自分の情報を出し惜しみして、相手から情報を聞き出し、その「情報管理なんだか操作能力なんだか」とやらが仕事力だと思ってる奴は総じて糞。
以上。