探偵開業にうってつけの日
自分一人で名探偵を気取っているような自分の心が見え透いて、何だか急に気がさして来た。
やっとの思いで三尺ばかり行くともうウンザリしてしまった。
発端
その昔僕にも信頼できる上司というものがいました。
その方が退職されてしばらくした後に一緒に食事をする機会がありました。
その時に頂いた名刺には「〇〇探偵事務所」という文字が。
(なにこれ厨二まじヤバイ、「公安番号」まで書いてあるやり過ぎ)
などと感想を持ちました。
しかし公安番号とか付与した名刺なんか作っちゃうと、
まかり間違えば詐称とかになるのでは、と思い
「これはまずくないですかー」と尋ねたところ、
「いや、だって申請したんですもん」とのこと。
申請とか誰にだよ頭おかしい電波ゆんゆん、とか思ったのは事実です。
でもよくよく聞いてみると届出を出せば探偵ってなれるんですってよ、誰でも。
というのが3〜4年くらい前の話でしょうか。
でちょっと自由な時間が最近できたので、
上記を踏まえて自分も探偵になってみようと考えた次第です。
メリット・デメリット
メリット
「おれ探偵局長ですから」とか自慢できる。以上。
ということで「自慢なんかできねえよ」とか「そもそも自慢してどうすんだ」とか思う人にはメリットがありません。
考え方を変えると、ミステリー系同人誌を発行している方々ならば、メリットはありそげな気がします。
必要なこと
探偵になるためには手続きが必要です。
これは裏を返せば「手続きさえ踏めば誰にでもなれる」ということになります。
パスポートの申請と似ている部分があります。*2
ずばり言うとここに記述してあるとおりで可能です。
1-1 探偵業の届出要領 :警視庁
で必要書類を確認してから
2-a 探偵業に関する各種手続 :警視庁
2-b 申請様式一覧(探偵業) :警視庁
で様式を確認すると最短で良いと思います。
さて前提
- 運転免許証を持っていた
- 成人している
- 個人申請である/自宅である(法人でない)
ということ。
法人はきちんと調べてください。
必要書類
以下を全て揃えて所轄の警察署の生活安全部へ提出*3する必要があります。
所轄の警察署は営業所の場所で決まります。
本件では「自宅で開業」という意味合いですので、
「自分の家の住所の所轄警察署」となります。
「普段よく前を通るからあそこの警察署だろう」と思っていると、
その警察署と反対側の方向に実際の所轄の警察署があったりするので気をつけてください。
僕は最初杉並警察署へ書類提出に行きましたが、
お前さんちは荻窪警察署の所轄だぐへへ、と言われました。
警察官に聞いて調べましょう。
印刷して記述するのみ/『印刷サイズはA4』の縛りがありそうです。
これらは申請様式一覧(探偵業) :警視庁にある記載例そのまま書けばいいと思います。
しかし日付まわりは記述しないでください。
これは提出時に差し戻しがあった場合に、
書き直す必要があったりめんどいので。
プリンタが無い方はネットプリントが便利です(もう一度言いますがA4で)。
特記
- 履歴書には写真が必要です。
- 探偵業開始届出書には名称記述が可能です。公序良俗に反しない限り好きな名前が付けられます。*4
住民票のある区役所/発行機で可能
- 住民票(300円/1通)
僕は杉並区民であり、自動交付機用カードというものを持っているので、
荻窪の荻窪タウンセブンで発行できたりします。便利になったもんです。
市区町村により住基台帳ネットワーク参加不参加はあるかと思います。
法務局で取得
- 登記されていないことの証明書(300円/1通)
出張所とかもあるのですが「この証明書は出張所で発行できないもの」と伺いました。
僕は東京法務局へ行きました
登記されていないことの証明書の説明を確認ください。
郵送も可能だそうです。
本籍地*5
- 身分証明書(300円/1通)
これを知らないと一日無駄にしてハマります。
『身分証明書』って免許証で足りると思っていたのですが、
実はこれは法務局の発行する、
『登記されていないことの証明書』の本籍地バージョンみたいな意味合いがあるようです。
証明書を取得し、申請書類の日付以外の記述を終え、所轄の警察署に提出します
- 手数料3600円/現金です/印紙不可
警察署申請時の注意事項
アポ必須である
探偵業申請受付担当の方が、所轄警察署に一人しかいない場合があります。
その方が有休なり別件で外に出払っている場合には、
「帰ってくるまで待っていてください」とか、
「今日はお休みですのでまた今度」と無駄足となります。
これは「トラックナンバー1ってやばくね」っていう気持ちもありますが、
まあしょうがないかなーというところ。
事前に「探偵業申請したいんですけど、いつ頃ならおられますかー」
と電話しておくのがいいかと思います。
で、この無駄足の可能性を考慮して「申請書類の日付は空けておきましょう」ということなのです。
不安であれば、この際に必要書類等の確認をしていただくのもいいかと思います。
「大家さんの許可はとっていますか?」という質問
僕の場合個人ですので自宅でやることになり、
そこは賃貸ですので大家さんとの契約関係の問題が生じます。
特約事項などでは「居住目的以外利用しない(商売をしない)」みたいなのがあったりするかと思います。
でこのあたりを鑑みて警察の方は、
「大家さんの許可を取っていただく必要があります」と言ってきます。
理由は
- 大家さんの許可をとらない結果問題が起きると、賃貸契約解除→引越しなど住所変更が発生する可能性がある
- 引越しが発生すると営業所の変更が必要となる
- 証明書番号は変更届ごとに変更されます(つまり名刺に印刷していた場合にその番号が変わる、ということ)
というのが気遣いの大きな理由です。が、これは大きなお世話である、とも言えます。
瑣末な話をすると間接的な民事介入とも言えるでしょう。
「大家さんに許可を取る気は無く、書類が揃っているのでこのまま申請します」
という態度で望むと「まあ、それでは」となります。
決して「大家さんの許可がないと開業できない」という意味ではありません。
そういう説明をする警察官がいるとすればそれは問題です。
最後の質問
探偵業を開業するにあたり、
警察の方からYes/Noでの質問を5問くらいされます。
そちらに答えていただくことで申請手続きは終りになるかと思います。
このあたりは関連する法律/もしくはその概要に目を通していただければいいかと思います。
総費用
目録 | 価格 |
---|---|
申請費用 | 3600円 |
身分証明書 | 300円 |
住民票 | 300円 |
登記されていないことの証明書 | 300円 |
ネットプリント x 3 | 100円弱、切り上げ100円で計算 |
履歴書の写真 1回分 | 600円 として計算 |
合計 | 5200円 |
余裕を持ってもおおよそ6000円もあれば探偵になれるということです。
ということで
はっぴーでてくてぶ!!